「再建築不可物件はリフォームができない」という話を聞いたことはないでしょうか。
再建築不可物件は基本的に築年数が古いので、家の老朽化が進んだ場合はリフォームが必要になる場合があります。
もし、再建築不可物件が本当にリフォーム不可だった場合、その家に住むのが困難になる可能性は極めて高いですし、なにより老朽化が原因で家が倒壊した場合、再建築ができないので住む家を失ってしまいます。
再建築不可物件は本当にリフォームできないのか、ここでは再建築不可物件に関する正しい情報をご説明いたしましょう。
再建築不可物件がリフォーム不可といわれている理由
結論からいえば、再建築不可物件でもリフォームは可能です。
しかし、一般的な物件と比べると大きく制限されています。
再建築不可物件のリフォームが制限されている理由は、物件そのものが建築基準法に違反しているからです。
リフォームの中には建築確認申請が必要なものがあり、その際に建築基準法を違反していないかどうか確認が行われます。
建築基準法を違反していると建築確認申請が通らないため、リフォームができなくなってしまうのです。
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可能なリフォーム内容
建築確認申請が必要なリフォームは再建築不可物件では行えません。
逆にいえば、建設確認申請が不要なものならば、再建築不可物件でもリフォームが行えるということです。
建築確認申請が必要になるのは、主に増築や改築、そして移転です。
国土交通省に掲載されている「法律上の手続きと補助・融資等の制度」に、これらの内容について詳しく紹介されています。
- 増築:既存建築物に建て増しをする、又は既存建築物のある敷地に新たに建築すること。
- 改築:建築物の全部又は一部を除却した場合、又は災害等により失った場合に、
これらの建築物又は建築物の部分を、従前と同様の用途・構造・規模のものに建て替えること。- 移転:同一敷地内で建築物を移動すること。
(引用:国土交通省「P128.法律上の手続きと補助・融資等の制度」)
上記に該当しなければ、再建築不可物件でもリフォームは可能です。
具体的には、以下のようなリフォームなら問題ありません。
- • 雨漏りした天井の修繕
- • 劣化した柱や壁の交換・修繕
- • お風呂場やトイレの設備を修理・交換する
これらは建物の基本構造を変えることがなく、柱や梁なども一部の交換程度で済むため、増築・改築に当てはまらないからです。
よって、築年数の古い再建築不可物件でもある程度のリフォームは可能であり、家を新築同様に戻すことも可能です。
2025年以降は要注意
上に記載した国土交通省の条例文の「改築」の項目に「災害等により失った場合に~」と記載されています。
そのため、もし、地震や火事で家が大幅に倒壊した場合、大幅な修繕は改築扱いとなるため、再建築不可物件では許可が降りないのではと考える人もいるのではないでしょうか。
こちらに関しては、2024年時点では問題ありません。
実は、現代の建築基準法では、以下の建築物は「4号建物」という区分にカテゴライズされており、特例として建築確認申請が省略できるようになっています。
- ・木造の場合:2階建てで床面積500平方メートル以下
- ・木造以外:平屋で床面積が200平方メートル以下
3階建てにしたり床面積を増やしたりできないので増改築はできませんが、この制度のお陰でいざというときに建物に甚大な被害があってもしても、リフォームという名目で大幅な修繕は可能です。
しかし、2025年4月以降は国土交通省による建築基準法の改正により、リフォームが難しくなる可能性があります。
法改正後は木造建ての平屋で、床面積が200平方メートル以下の建物以外はすべて審査の対象となります。
加えて、上記は「建築基準法を満たしていること」が前提の建物に新たに課される義務であり、再建築不可物件の場合、さらに制限が厳しくなることが予想されます。
そのため、もし、今の家をリフォームしたい、あるいは処分したいとお考えでしたら2024年中に対応したほうが良いでしょう。
再建築不可物件のリフォームは本当に賢い選択?
上述したように、再建築不可物件でも設備の交換や雨漏り修理など、快適に暮らすためのリフォーム程度なら問題なく可能です。
しかし、将来性を考えた場合、再建築不可物件はリフォームするよりも売却して処分し、新しい物件を購入したほうが良いかもしれません。
なぜなら、再建築不可物件は一般的な物件と比較するとリスクが多いからです。
具体的に、再建築不可物件を所持し続けるリスクをご紹介しましょう。
コストが全体的に高くなる
再建築不可物件は、他の物件と比較すると、金銭的なコストが割増になる傾向にあります。
まず、リフォーム費用が通常の物件に対して高くなりやすいです。
再建築不可物件は、一般に接道義務を満たしていないため、道路幅が狭い傾向にあります。
これにより、資材を運ぶためのトラックや重機が道路に入ることができず、資材運搬に人手や時間が多く必要になるので作業時間や人件費が多く発生し、割増価格になってしまうのです。
同様の理由で、解体作業にも作業時間と人件費がかかり、費用が高くなりがちです。
更に、解体して更地にした場合、再建築不可物件のため、新しく住宅を建てられません。
加えて、住宅がなくなることで住宅用地の特例措置もなくなるため、減税されていた固定資産税と都市計画税が本来の金額分支払わなければならなくなります。
このように、再建築不可物件はリフォームにせよ解体にせよ、コストが総じて高くなる傾向にあるのです。
資産価値が低い
再建築不可物件の需要が上がり、資産価値が上昇するという可能性は、極めて低いです。
再建築不可物件は、接道義務が生まれる1950年以前に建てられた古民家がほとんどです。
そのため、建物としての価値が低く、土地を所有するというメリットも少ない傾向にあります。
また、元々の資産価値が低いため、リフォームをしてもそれほど価値が付加されないことがあります。
売却時の利益よりもリフォーム費用が高くなってしまうこともあり、売却を検討している方にとってはリスクといえるでしょう。
なお、例外として京都の場合は「京町家」と呼ばれる古民家であれば、かえって価値は高くなる可能性があります。
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再建築不可物件をリフォームせずに売却する場合
再建築不可物件に今後も住むというわけではないのでしたら、早めに売却を検討しましょう。
売却を検討する際、売却費用よりもリフォーム費用のほうが高く付くようでしたらリフォームはしないほうが良いです。
「リフォームして家をきれいにしなかったらますます売れないのでは?」 と思うかもしれませんが、こうした再建築不可物件を売却する際、不動産業者をきちんと選べばリフォームすることなく売却は可能です。
再建築不可物件に精通した業者を探す
再建築不可物件は、一般的な業者に敬遠されやすい物件です。
上述したように不動産としての価値は低く、媒介契約を結んでもなかなか買い手が見つからないといった問題があるためです。
そのため、こうした特殊な不動産に詳しくない不動産業者は断るか、理由をつけて安く買取する傾向にあります。
しかし、再建築不可物件に精通している不動産業者であれば、需要を正確に把握し、販売のノウハウも充実しているので、予想以上の買取額になることが多いです。
実績の多い地域密着型の不動産業者がおすすめ
再建築不可物件を専門に取り扱う業者は、京都だと多い傾向にあります。
京都は昔ながらの町並みを保存しているため、現代の建築基準法に基づくと接道義務を満たしていない物件が多く見つかる傾向にあるからです。
したがって、京都では再建築不可物件を専門に取り扱う業者は多いです。
もし高価買取を目指すのであれば、不動産買取業者は実績のあるところを中心に探しましょう。
実績が多いところはよりノウハウが蓄積しており、販路を確立しているため、高価買取のチャンスに恵まれる可能性が高いです。
実績に自信のある不動産買取業者は、ホームページに実績を掲載しているので、ホームページをチェックすれば、実績の確認は可能です。
再建築不可物件をリフォームせずに売却するなら、ライズ不動産販売へ
再建築不可物件は、大掛かりなリフォームもできず不動産的な価値も低いため、住み続けるのでなければ早めに処分することをおすすめします。
2025年の法改正によってリフォームも難しくなる可能性があるので、早めに行動に移し、決断しましょう。
再建築不可物件の買取なら、ライズ不動産販売にお任せください。
京都の地元密着型の不動産業者であるライズ不動産販売でしたら、再建築不可物件でも地域の需要や売却のノウハウを蓄積しており、高価買取の実績にも自信がございます。
建築不可物件以外にも一般的な家屋やマンションはもちろん、不整形地や古民家などの物件買取も承っておりますので、京都特有の不動産の売却をお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。