ボロ家でも、売却は十分に可能です。
空き家になった実家を相続した方、長年放置していた家を手放したい方など、事情は人それぞれですが、いずれの場合も売却の道は残されています。
その理由は、ボロ家を「マイナス」として見る買主だけでなく、「チャンス」として求める買主層が一定数存在するからです。
古家付き土地として投資目的で欲しい不動産業者、リノベーション前提で購入したい個人、更地にして活用したい買主など、需要はいくつも存在します。
相続で得た家であれば、税制上の特例が使える場合もあり、通常の売却とは異なる選択肢が増えることもあります。
本記事では、ボロ家を後悔なく、できるだけ高値で売却するための具体的な方法を解説していきます。
宮川 和秀
株式会社ライズ不動産販売 代表
京都市北区を拠点に、古民家・再建築不可・訳あり物件など「売れにくい不動産」の売却を数多くサポート。建築業界出身の知見と税務・法律の専門性を活かし、本記事の内容を監修。
ボロ家でも売却は可能

築年数が古く、外壁や屋根の劣化が目立つようなボロ家であっても、売却方法や進め方を工夫すれば買い手を見つけることができます。
「誰も買ってくれないのでは」と諦めて放置してしまう方も少なくありませんが、実際には仲介・買取・空き家バンクなど複数の選択肢があり、物件の状態や立地に合わせて最適な方法を選ぶことで、スムーズに手放せるケースが多くあります。
木造住宅の場合、法定耐用年数の目安は22年とされており、この年数を超えると建物自体の資産価値はほとんどないと見なされがちです。
しかし、これはあくまで税務上の減価償却計算に用いられる基準であり、「住めなくなる年数」を意味するわけではありません。
つまり、ボロ家の売却で重要なのは「建物の古さ」そのものではなく、立地・接道条件・土地の需要といった要素です。
これらの条件が揃っていれば、建物に価値がなくても土地としての価値で売却できる可能性は十分にあります。
次の章では、具体的にどのような売却方法があるのかを詳しく見ていきましょう。
ボロ家を売却する具体的な方法5つ

ボロ家を売却する方法は、大きく分けて以下の5つです。
- ボロ家をそのまま売却する
- ボロ家を解体し更地にして売却する
- ボロ家を不動産会社に直接買い取ってもらう
- ボロ家をリフォームや修繕して売却する
- ボロ家を空き家バンクに登録して売却する
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、どれが最適かは物件の状態や売却にかけられる時間、予算によって異なります。
ここからは、それぞれの方法の特徴とあわせて、どのような場合にその方法が向いているのかを詳しく解説していきます。
ご自身の状況と照らし合わせながら、最適な売却方法を見つけてください。
ボロ家をそのまま売却する
ボロ家をそのまま売却する方法とは、解体やリフォームなどの手を加えず、現状の状態のまま「古家付き土地」として売りに出す方法です。
もっとも手間がかからない方法である一方、買い手が限定されやすいという側面もあるため、次のメリット・デメリットを踏まえたうえで検討することが大切です。
建物を残したまま売るメリット
最大のメリットは、解体費用をかけずに済むことです。
一般的な木造住宅の解体費用は100万〜300万円程度かかることが多く、この負担がないまま売却活動に入れるのは大きな利点といえます。
また、建物が残っていることで「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税の軽減措置を受けられる点もメリットです。
更地にすると税負担が増えることがあるため、解体のタイミングを慎重に検討する必要がない分、経済的な負担を抑えられます。
さらに、自分の裁量でリフォームやリノベーションをしたいと考えている買い手にとっては、既存の建物付きで安く購入できることが魅力になり、そうした層への訴求も可能です。
建物を残したまま売るデメリット
一方で、買い手が見つかりにくい点は大きなデメリットです。
新築のための土地を探している層からは需要が低く、解体費用分を見込んで値引き交渉をされるケースも珍しくありません。
また、売主には物件の欠陥や不具合をすべて買主に伝える「告知義務」があります。雨漏りやシロアリ被害、傾きなどの問題がある場合はそれを正確に伝える必要があり、状態によっては買主から敬遠される要因にもなり得ます。
加えて、売却までに時間がかかりやすい点にも注意が必要です。すぐに現金化したい場合には、この方法が必ずしも最適とは限りません。
ボロ家を解体し更地にして売却する
2つ目は、ボロ家を解体し、更地の状態にしてから売却する方法です。
建物が残ったままだと解体費用の負担を敬遠する買い手が多いため、あらかじめ更地にしておくことで、土地だけを求めている層に対してアプローチしやすくなります。
「そのまま売りに出したがなかなか成約しない」という場合でも選ばれる方法です。
更地で売るメリット
最大のメリットは、買い手の対象が広がりやすいことです。
更地であれば、すぐに新築を建てたいと考えている個人や、再開発・建て替えを前提とする投資家など、幅広い層にアピールできます。
建物の解体という手間がすでに済んでいるため、購入後すぐに着工できる点も好まれるポイントです。
また、老朽化した建物特有の「契約不適合責任」のリスクを心配する必要がなくなる点も、売主にとっての安心材料といえます。
更地で売るデメリット
デメリットとしてまず挙げられるのが、解体費用の負担です。
さらに見落とされがちなのが、固定資産税の増額です。
建物が建っている間は「住宅用地の特例」により固定資産税が軽減されていますが、更地にするとこの特例が適用されなくなり、税額が最大で6倍程度まで上がることがあります。
ただし、固定資産税はその年の1月1日時点の状態で課税されるため、解体のタイミングを1月2日以降にすることで、翌年の1月1日まで軽減措置を維持できる点は覚えておくとよいでしょう。
ボロ家を不動産会社に直接買い取ってもらう
不動産会社に直接買い取ってもらう方法とは、一般の個人買主を探す「仲介」とは異なり、不動産買取業者そのものが買主となって物件を購入する売却方法です。
買取業者は購入後、リフォームや解体を行ったうえで再販することを前提としているため、ボロ家のように一般の買い手がつきにくい物件でも、現状のまま引き取ってもらえるのが大きな特徴です。
「とにかく早く現金化したい」「相続したボロ家をこれ以上放置したくない」「仲介で売りに出したが反応がなかった」といった状況にある方に向いている方法といえます。
不動産会社の買取を利用するメリット
最大のメリットは、売却スピードの速さです。
仲介の場合は買主が見つかるまで数ヶ月〜1年以上かかることも珍しくありませんが、買取業者に依頼すれば、早ければ1週間〜1ヶ月程度で現金化できるケースもあります。
急いで手放したい事情がある方にとっては、大きな安心材料になります。
雨漏りやシロアリ被害、構造上の欠陥などが後から見つかったとしても、売主が損害賠償や修補の責任を問われるリスクを抑えられる点は、老朽化した物件を売る際に特に心強いポイントです。
さらに、買取業者はボロ家の再生・再販に関する独自のノウハウを持っていることが多く、一般の個人では敬遠されがちな物件でも、査定・契約までの手続きがスムーズに進みやすい傾向があります。
仲介活動に伴う内覧対応や近隣への配慮といった手間もかからず、精神的な負担を軽減できる点もメリットです。
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不動産会社の買取を利用するデメリット
一方で、最大のデメリットは売却価格が市場相場より低くなりやすいことです。
買取業者は物件を再生・リフォームしたうえで再販して利益を得るビジネスモデルのため、再販予定価格から自社の利益やリフォーム費用を差し引いた金額でしか買い取ってもらえません。
また、買取業者によって査定額や条件に差が出やすいため、1社だけの査定で即決してしまうと、本来得られたはずの金額より安く手放してしまう可能性もあります。
複数の買取業者に査定を依頼し、金額や対応の丁寧さを比較したうえで判断することが重要です。
加えて、買取業者の中には物件の状態や立地によって「買取自体を断られる」ケースもあります。
再建築不可の土地や、極端に立地条件の悪い物件などは、買取専門業者であっても対応が難しい場合があるため、事前に相談・査定を受けて可否を確認しておく必要があります。
ボロ家をリフォームや修繕して売却する
ボロ家をリフォームや修繕してから売却する方法もあります。
外壁や内装、水回りといった劣化が目立つ部分を事前に手直しし、見た目や住環境を整えた状態で売りに出します。
「そのままの状態では買い手がつきにくい」「解体するほどではないが、老朽化が目立つ」といった物件で検討されることが多く、築古の家をすぐにでも住める状態にして欲しいと考える買い手層に向けたアプローチといえます。
ちなみに、ボロ家をリフォームする場合の金額は以下が相場です。
| リフォームの内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 外壁塗装 | 50~70万円 |
| 屋根の修繕・塗装 | 40~70万円 屋根材張替えの場合は100~200万円 |
| 床フローリング貼り替え | 10~20万円(6畳あたり) |
| 壁紙貼り替え | 6~8万円(6畳あたり) |
| 建具(ドア・窓)交換 | 7~15万円(一箇所あたり) |
| キッチンリフォーム | 100~200万円 |
| トイレリフォーム | 10~20万円 |
| 浴室リフォーム | 100~150万円 |
もし、すべてリフォームする場合、500~600万円ほどの費用が発生します。
査定額と比較しリフォームするべきかどうかをきちんと計算しましょう。
ボロ家をきれいにして売却するメリット
ボロ家をきれいにして売却するメリットは、主に以下のとおりです。
- 売却価格を上げやすい
- 購入後すぐに住みたい買い手にもアピールできる
- 内覧時の印象が良くなり、早期売却につながる可能性がある
リフォームによって見た目や住環境が改善されるため、そのまま売却する場合よりも買い手の選択肢に入りやすくなります。
特に、リフォームやDIYの手間をかけたくない人にとって、「すぐに住める状態」であることは大きなメリットです。
ボロ家をきれいにして売却するデメリット
一方、デメリットは主に以下のとおりです。
- リフォーム費用を売却価格で回収できるとは限らない
- 工事期間の分だけ売却開始が遅れる
- 過剰なリフォームは費用対効果が悪くなる
高額なリフォームをしても、周辺相場や買主のニーズによっては売却価格に十分反映されない場合があります。
そのため、事前に不動産会社へ相談し、売却相場に見合った範囲でリフォームすることが重要です。
ボロ家を空き家バンクに登録して売却する
空き家バンクとは、自治体が運営する空き家の情報登録・マッチング制度です。
ボロ家を売りたい所有者と、地方移住や古民家暮らしを希望する購入希望者を自治体が仲介する形でつなぎ、通常の不動産流通ルートには乗りにくい物件でも買い手が見つかる可能性があります。
特に地方や過疎地域にあるボロ家の場合、通常の仲介では需要が低くても、空き家バンクを通じて移住者や古民家リノベーション目的の購入者とマッチングできるケースが増えています。
空き家バンクを利用するメリット
空き家バンクを利用してボロ家を売却する最大のメリットは、通常の不動産市場では買い手がつきにくい物件でも、成約の可能性が広がることです。
地方移住やDIYリノベーションを目的とした購入希望者は、一般的な不動産ポータルサイトよりも空き家バンクを利用する傾向があるため、そうした層に直接アプローチできます。
仲介手数料が発生しない、または低く抑えられる点も、費用を抑えたい売主にとっては見逃せないメリットです。
空き家バンクを利用するデメリット
デメリットとして挙げられるのが、売却までに時間がかかりやすい点です。
空き家バンクは登録件数に対して閲覧・問い合わせをするユーザー数が仲介サイトほど多くないため、成約までのスピードは仲介や買取と比べて遅くなる傾向があります。
加えて、価格交渉や契約条件のすり合わせなどを基本的に売主自身が行う必要がある場合が多く、不動産取引に不慣れな方にとっては手続きの負担が大きく感じられることもあります。
急いで確実に売却したい場合には、他の方法と比較検討することをおすすめします。
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ボロ家を高く売却するための5つのポイント
ボロ家であっても、売却の進め方次第で成約価格や成約スピードは大きく変わります。
ここでは、少しでも高く、そしてスムーズに売却するために押さえておきたい5つのポイントを紹介します。
ボロ家売却に強い不動産会社に相談する
ボロ家の売却では、どの不動産会社に相談するかが結果を大きく左右します。
一方で、古家・空き家・再建築不可物件などの取り扱い実績が豊富な不動産会社であれば、建物の状態だけでなく、土地の形状や接道条件、周辺エリアの需要まで踏まえた上で、適切な売却戦略を提案してくれます。
| 会社タイプ | 得意な物件 | ボロ家売却での向き・不向き |
|---|---|---|
| 大手仲介 | 新築・築浅・好立地物件 | 不向き:査定が低く出やすい |
| 地域密着型 不動産会社 | 中古住宅全般 | 向いている:エリア需要に詳しい |
複数社に相談し、提案内容の丁寧さも含めて見極めましょう。
土地の再建築可否・接道状況を事前に確認する
再建築可否や接道状況を事前に確認しておくのは、契約直前になって買主側の調査で問題が発覚し、大幅な値引き交渉をされる事態を防ぐためです。
建築基準法上、幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地は「再建築不可物件」に該当し、これを知らずに売り出すと、後から発覚した際に信頼を失い減額や破談につながりやすくなります。
逆に、事前に条件を把握し、隣地所有者やリノベーション目的の買い手など、その条件に合ったターゲットに絞ってアプローチすれば、無用な値引きを避けながら適正価格での売却を狙えます。
| 確認項目 | 内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 接道義務 | 幅員4m以上の道路に2m以上接しているか | 自治体の建築指導課 |
| 道路の種別 | 公道か私道か、位置指定道路か | 法務局・建築指導課 |
| セットバックの 要否 | 道路幅員が4m未満の場合の後退距離 | 建築指導課 |
| 再建築の 可否 | 上記を満たさない場合は原則不可 | 建築指導課・不動産会社 |
査定前にこの情報を押さえておくことが、交渉で足元を見られず高値売却につなげる第一歩になります。
リノベーション需要が見込めるエリアかを見極める
エリアの需要を見極める目的は、「建物の古さ」ではなく「リノベーションの自由度」に価値を感じる買い手に狙いを定め、値引きなしで売却することです。
新築の建築費高騰を背景に、古家を安く買って自分好みに改修したいというニーズは増えており、こうした層はボロ家であることをマイナスと捉えません。
エリアの需要を把握せずに一般的な仲介ルートだけで売り出すと、本来なら高く評価してくれるはずの層に届かず、値下げ前提の交渉になりがちです。
| エリアの条件 | リノベーション需要 | 売却戦略への影響 |
|---|---|---|
| 駅から徒歩10分以内 | 高い | 「そのまま」でも積極的に売り出せる |
| 生活利便施設が近い | 高い | リノベ向け広告で高値を維持しやすい |
| 閑静な住宅街 | 中〜高い | ターゲット層次第で価格交渉力が変わる |
| 交通の便・生活施設が乏しい | 低い | 更地化・買取など別の方法も要検討 |
売却活動を始める前に、周辺エリアでのリノベーション済み物件の取引実績や需要層をリサーチしておくことで、値引き交渉に応じずに高値成約を狙いやすくなります。
リフォームや修繕で見た目をきれいにする
ボロ家を少しでも高く売却したい場合は、劣化が目立つ部分をリフォーム・修繕して、物件の印象を良くする方法があります。
例えば、破れた壁紙の張り替えや床の補修、水回りの清掃、壊れた設備の修理などを行うことで、内覧時の印象が改善され、購入希望者に「このまま住めそう」と感じてもらいやすくなります。
ただし、大規模なリフォームを行っても、かけた費用をそのまま売却価格に上乗せできるとは限りません。
そのため、自己判断で工事を進めるのではなく、事前に不動産会社へ相談し、売却価格の上昇が期待できる範囲に絞って修繕するようにしましょう。
早めに売却活動を始める
ボロ家は、一般的な中古住宅と比べて売却までに時間がかかりやすい傾向があるため、早めに売却活動を始めましょう。
買い手の対象が限られることに加え、査定・書類準備・契約条件のすり合わせなど、通常の売却よりも慎重な手続きが必要になる場合が多いです。
さらに、ボロ家を所有し続けている間は、固定資産税や都市計画税、火災保険料といった維持費が継続的に発生し続けます。
老朽化が進めば「特定空家等」に指定されるリスクも高まり、その場合は固定資産税の軽減措置が外れて税負担がさらに増えてしまう可能性もあります。
早期に動くことで、査定や不動産会社選びにも十分な時間をかけられ、焦って足元を見られた価格交渉に応じてしまうリスクも避けられます。
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ボロ家が売れないときの4つの対処法
ボロ家が売れないときの4つの対処法は以下のとおりです。
- 売却価格・査定方法を見直す
- 仲介から不動産買取に切り替える
- 古家付き土地として販売方針を変更する
- 隣地所有者に直接売却を打診する
「査定は取ったが問い合わせが来ない」「内覧はあったが成約に至らない」といった場合は、売却方針そのものを見直す必要があります。
ここでは、ボロ家が売れないときに検討したい4つの対処法を紹介します。
売却価格・査定方法を見直す
ボロ家が売れない最も多い原因の一つが、価格設定が市場相場と合っていないことです。
売主としては「少しでも高く売りたい」という気持ちから相場より強気な価格を設定しがちですが、買い手はまず周辺の類似物件と比較して検討するため、相場からかけ離れた価格では検索や比較の段階で候補から外れてしまいます。
見直す際は、以下の観点をチェックしましょう。
- 不動産会社が提示した査定額が、どの成約事例やデータを根拠にしているかを確認する
- 1社だけの査定額を鵜呑みにせず、最低でも2〜3社の査定額を比較する
- 同じエリア・同程度の築年数や状態の物件がいくらで売り出されているかを調べる
- 問い合わせ件数や内覧件数が少ない場合、価格自体がミスマッチのサインと捉える
- 数ヶ月間反響がない場合は、値下げ幅やタイミングについて不動産会社と改めて協議する
こうしたポイントを一つずつ確認していくことで、価格設定のどこにズレがあるのかが見えてきます。
1社だけの査定額を鵜呑みにせず、複数社に査定を依頼して比較することで、その物件の適正な価格帯が明確になり、売却の停滞を打開しやすくなります。
仲介から不動産買取に切り替える
仲介では一般の個人買主を対象にするため、ボロ家のように状態が悪い物件は「購入後すぐに住める家」を探している層から敬遠されやすく、成約までに時間がかかりがちです。
長期間売れない状態が続いている場合は、買主を個人ではなく不動産買取業者に切り替えることを検討しましょう。
買取業者は、再生・再販を前提として物件を購入するため、老朽化した状態のままでも買い取ってもらえます。
売却価格は仲介と比べて下がる傾向にありますが、契約不適合責任が免責されることが多く、早ければ1週間〜1ヶ月程度で現金化できるというスピード感は、仲介では得られないメリットです。
「多少価格が下がっても、確実かつ早く手放したい」という状況では、有力な選択肢になります。
古民家買取に多数の実績!
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古家付き土地として販売方針を変更する
「中古住宅」として売り出していた場合、買い手は無意識のうちに「住める状態の家」を期待してしまい、ボロ家の状態とのギャップから内覧の段階で候補から外れてしまうことがあります。
この場合、売り出し方そのものを「中古住宅」から「古家付き土地」に変更することで、購入検討者の期待値を適切に調整できます。
古家付き土地としての売り出しは、「建物にはほとんど価値がなく、実質的に土地を売っている」ということを前提にした販売方法です。
これにより、最初から解体やリノベーションを前提に土地を探している層にダイレクトにアプローチでき、内覧時のギャップによる離脱を防げます。
広告文や物件情報の見せ方を変えるだけで反響が変わることも多いため、不動産会社と相談し、ターゲット層に合わせた打ち出し方に修正してみましょう。
隣地所有者に直接売却を打診する
一般の市場ではなかなか買い手がつかないボロ家でも、隣接する土地の所有者にとっては特別な価値を持つことがあります。
隣地を購入して敷地を拡張したい、駐車場や庭として活用したい、あるいは再建築不可の土地を隣地と一体化させて有効活用したいといったニーズを持つ所有者にとって、隣のボロ家は市場価格以上の価値を持つ場合があるためです。
特に、再建築不可物件や、間口が狭く単独では活用しにくい土地の場合、この方法は有効な選択肢になります。
不動産会社を介して隣地所有者に打診してもらう、あるいは自ら手紙や訪問で相談を持ちかけるなど、アプローチの方法はいくつかありますが、隣地との関係性やトラブルを避けるためにも、不動産会社を通じて丁寧に進めることをおすすめします。
ボロ家を放置し続けるリスク
ボロ家を相続した場合、早めに再利用、もしくは売却を検討しましょう。
ボロ家と呼ばれるほどの築古で老朽化の進んだ物件は、以下のリスクが発生し続けるからです。
- 固定資産税・都市計画税がかかり続ける
- 犯罪の温床や近隣トラブルの原因になる可能性がある
- 倒壊・火災による損害賠償責任のリスクがある
- 「特定空家等」に指定されるリスクがある
ここでは、ボロ家を所持し続けることで起きるリスクについて解説していきます。
固定資産税・都市計画税がかかり続ける
ボロ家を所有している限り、住んでいるかどうかに関わらず、毎年1月1日時点の所有者に対して固定資産税と都市計画税が課税され続けます。
納税額はさまざまな条件で異なりますが、以下の方法で算出されます。
固定資産税=固定資産評価額×標準税率
都市計画税=固定資産評価額×制限税率
税額は「固定資産評価額×税率」で算出され、一般的な戸建てであれば年間10万円以上になるケースも珍しくありません。
また、管理にかかる費用も必要です。
空き家は管理しないと行政指導が入る可能性があるため、正しく管理しなければいけません。
ボロ家でも空き家を維持する場合、以下のコストが発生します。
火災保険費用:4~6万円/年
光熱費:3~5万円/年
修繕費用:1~1000万円以上 ※修繕規模による
修繕費用を除けば、税金と維持費だけで年間20~30万円前後の金額が発生します。
つまり、空き家を持っているだけで毎年少なくとも20~30万円支払い続けなければいけないのです。
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犯罪の温床や近隣トラブルの原因になる可能性がある
ボロ家を放置すれば近隣の住民との関係悪化や犯罪の温床になるリスクが発生します。
具体的には、以下の問題が発生します。
| トラブル | 具体的な被害 |
|---|---|
| 雑草・樹木の繁茂 | 害虫の発生、放火のきっかけになります。 |
| ゴミの放置・不法投棄 | 管理されていない空き家は不法投棄の場所になりやすく、ゴミによる悪臭や害虫の発生の温床になります。 |
| 犯罪組織の拠点化 | 管理されていない空き家は侵入されやすく、犯罪組織の取引現場や違法薬物の精製などが行われる拠点になりやすいです。結果、周囲の治安悪化の要因となります。 |
| 管理不全の外観 | 近隣住民の不安、苦情・トラブルにつながります。 |
これらは、管理を怠ったことで発生するトラブルの一例であり、責任はすべて所有者が負うことになります。
事実、民法第717条には以下の記述があります。
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。
ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
つまり管理を放棄している家で事件が発生した場合、管理者にも責任の一端があるとされ、損害賠償を請求される可能性があるということです。
なにより金銭だけでなく、人命に関わる事件に発展することも考えられるため、放置は厳禁です。
倒壊・火災による損害賠償責任のリスク
老朽化が進んだボロ家は、外壁材や屋根の落下、建物自体の倒壊といった物理的な危険性を抱えています。台風や地震、大雨などの自然災害時には、これらのリスクが一気に現実化しやすくなります。
万が一、倒壊や落下物によって通行人や近隣住宅に被害が及んだ場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性があります。
これは「知らなかった」では済まされず、民法上、建物の所有者には管理責任(善管注意義務)が課されているためです。放置期間が長引くほど、こうした責任を負うリスクは高まり続けます。
善管注意義務
民法における「善良な管理者の注意」をもって行う義務の略称である。民法における「自己の財産に対するのと同一の注意」と対置される概念であり、取引通念上客観的に要求される十分な注意を払う義務である。
「特定空家等」に指定されるリスクがある
倒壊の危険性が高い、衛生上有害である、著しく景観を損なっているといった状態が続くと、自治体から「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく「特定空家等」に指定される可能性があります。
さらに自治体からの修繕・解体の指導や勧告、命令を受け、それに従わない場合は行政代執行によって強制的に解体され、その費用を所有者が負担させられるケースもあります。
「特定空家等」に指定される前段階で売却を進めておくことが、余計な税負担や行政対応の手間を避けるうえで重要です。
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ボロ家を売却する流れ
ボロ家の売却には時間がかかりやすいので、早めに準備をしましょう。
ボロ家の売却の流れは、大まかに分けるとたった2ステップです。
- 家の状態を確認する
- 売却方法を検討する
家の状態を詳しく知ることで、売却方法をどうするかが定まるため、きちんと確認する必要があります。
また、売却方法もそれぞれメリット・デメリットがあるので吟味することをおすすめします。
ここでは、ボロ家の売却の流れについてご説明しましょう。
適正な査定を受ける
ボロ家を売却する際は、まず家の査定をしましょう。
査定を行うことで家の正確な価値がわかるため、売却価格が適切かどうかを判断しやすくなります。
家の査定は不動産鑑定士もしくは不動産会社に依頼することになりますが、家の売却ならば不動産会社に依頼するのが一般的です。
不動産鑑定士と不動産会社の査定には、以下の違いがあります。
| 項目 | 不動産鑑定士 | 不動産会社 |
|---|---|---|
| 売却額の算出 | 詳細な調査及び分析によって論理的な価格を算出 | 土地や家屋の相場、不動産会社の過去の取引事例を参考に算出 |
| 金額 | 有料 | 無料 |
| 適切なケース | 財産相続の際の地価確認 賃貸物件の家賃算出の資料作成 土地を担保にする際の鑑定評価書の作成 | 家屋、土地など不動産の売却額の査定 |
不動産鑑定士が必要なのは、主に法的な手続きの際の文書作成であり、空き家の売却で利用するのは不適切です。
不動産会社の査定でも十分な査定額の相場がわかりますし無料で行えるので、不動産会社に依頼しましょう。
物件は、立地や築年数、周辺の相場などさまざまな要素を考慮して査定額が算出されます。
ボロ家の場合は基本的に資産価値が低く、築年数や老朽化の程度によって査定額が大きく変わることはないでしょう。
しかし、ボロ家だったとしても立地が優れていたり、再建築が可能な物件だったりした場合は需要が高くなるので、査定額も高くなりやすいです。
売却方法を検討する
家の査定が終わったら、次は売却方法を検討しましょう。
ボロ家を売却する方法は、大きく分けて「仲介」と「買取」の2つがあります。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却方法 | 不動産会社が買い手を探して売却する | 不動産会社が直接物件を買い取る |
| メリット | 売り出し価格や売る相手を自分で設定できる | 売却までに時間がかからない |
| デメリット | 売れるまで管理費用や不動産会社に支払う手数料が発生する | 買取額が安くなるケースが多い |
| おすすめのケース | ボロ家でも高く買取ってもらいたい場合 | 早めに処分したい場合 |
高値で売却したい場合は、仲介で売却するのが一般的です。
しかし、築年数が極端に古い場合や、立地が悪い場合などは、買取の方が有利になることもあります。
また、不動産会社の中でも、ボロ家を専門に扱っているところであれば、相場を把握しており、高値で買い取ってくれる可能性があります。
したがって、ボロ家は買取を選択したほうが結果的にメリットを享受しやすいといえるでしょう。
まとめ
この記事では、ボロ家を所持し続けることのリスクや売却方法、高額で売却する方法についてご説明しました。
ボロ家を相続し、活用する方法が思いつかない、あるいは活用しないのであれば、早めに処分の方法を検討しましょう。
ボロ家は放置しても値は上がりませんし、管理費や税金で毎年維持費用が発生してしまいます。
そのため、早めに決断して売却することが最も利益が得られる方法であり、ボロ家を専門に扱う業者に依頼すれば期待以上の利益につながる場合もあります。

