不動産売却を行なったときの仕訳方法。仲介手数料は勘定科目のどれに入る?

不動産売却を行なったときの仕訳方法。仲介手数料は勘定科目のどれに入る?

個人事業主や法人が毎年行なわなければならないのが、確定申告です。

そして、事業として不動産を売却した際には、確定申告では帳簿に正しく記載する必要があります。

その際にややこしいのが仕訳方法で、仲介手数料はどの勘定科目として記載すれば良いのか、わからない方が多いのではないでしょうか。

ここでは、仲介手数料はどの勘定科目として記載すれば良いのか、基本から詳しくご紹介します。

目次

不動産売却に関する仕訳の基本

不動産売却における仕訳の基礎とは

不動産を売却した際は帳簿に記帳を行ないますが、記帳法は、「単式簿記」と「複式簿記」にわかれています。

単式簿記はシンプルな記帳方法で、家計簿のように一列で収支を管理するものです。

一方、複式簿記は「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」の2列にわけ、収支を細かく勘定科目として分類します。

法人の場合は、会計報告を正確に行なうために、「正規の簿記の原則」に従って複式簿記で記帳する必要があります。

個人事業主の場合は、白色申告を行なうのであれば、基本的に単式簿記で構いません。

しかし、55万円または65万円の特別控除を受けるために青色申告を行なう個人事業主の場合は、複式簿記での記帳が必要です。

仲介手数料の勘定科目とは?

仲介手数料は勘定科目のどれに入れれば良いの?

不動産売却を行なった際に支払った仲介手数料の勘定科目は、個人事業主と法人どちらも、「支払手数料」です。

仲介手数料のみの記載例

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
支払手数料 100万円 普通預金 100万円

基本はこの形で、借方と貸方の金額が一致するように記載する必要があります。

ただ、売却時に得た利益や手付金などを含めると、記載方法は個人事業主と法人とで若干異なる点に注意が必要です。

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、不動産の売却で生じた譲渡益は「事業主借」譲渡損失は「事業主貸」として記載しなければなりません。

手付金は「前受金」、建物の売却時に受け取った消費税は「仮受消費税」として記載します。

個人事業主の場合の記載例

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 3760万円 土地 800万円
事業主借 500万円
建物 1500万円
事業主借 800万円
前受金 200万円 仮受消費税 360万円
支払手数料 100万円 普通預金 100万円

法人の場合

法人の場合は、不動産の売却で生じた譲渡益は「固定資産売却益」譲渡損失は「固定資産売却損」として記載する必要があります。

法人の場合の記載例

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 3760万円 土地 800万円
固定資産売却益 500万円
建物 1500万円
固定資産売却益 800万円
前受金 200万円 仮受消費税 360万円
支払手数料 100万円 普通預金 100万円

仲介手数料の計算方法とは

仲介手数料の計算方法について

勘定科目がわかったところで、仲介手数料(支払手数料)の項目に実際に書く金額を計算してみましょう。

不動産の売却時、土地の売却に関しては、消費税は非課税です。

しかし、建物の場合は売却時に消費税がかかり、仲介手数料も同様に消費税が発生します。

仲介手数料は、不動産会社に支払う成果報酬であり、宅地建物取引業法によって上限が定められています。

計算式は下記の通りです。

不動産の売買価格(税抜) 上限額
1 200万円以下の場合 売買価格の5%+消費税
2 200万円から400万円までの場合 (売買価格の4%+2万円)+消費税
3 400万円を超える場合 (売買価格の3%+6万円)+消費税

よほどボロボロで需要がない不動産でなければ、400万円を下回ることはほとんどありません。

そのため、基本的には上記表の、3行目の計算式を使用することになるでしょう。

具体的に、1000万円の不動産を売却したときの仲介手数料の計算は、下記の通りです。

(1000万円×3%+6万円)+消費税

=36万円+消費税

=39万6千円

先に括弧内の掛け算から行ない、36万円+消費税となります。

消費税が10%とすると、3万6千円が消費税となり、合計すると39万6千円が仲介手数料の上限額となります。

仲介手数料に関する注意点

仲介手数料について注意したいポイント

仲介手数料は基本的に非課税にならない

通常、不動産の売却は不動産会社に依頼して行ないます。

仲介手数料は、消費税法に準じて不動産会社が行なったサービスに対する成果報酬のため、基本的に非課税になることはありません。

どうしても節約したい場合には、仲介手数料を安くしている不動産会社を選ぶか、自分自身で不動産を売却するといった対応が必要になります。

不動産の購入時には経費計上が認められない

不動産の売却時には、仲介手数料は経費計上が認められています。

譲渡費用という売却にかかる直接的な費用であり、必要経費に当たるためです。

しかし、不動産を購入した際にかかる仲介手数料は必要経費としての計上は認められません。

不動産の購入に直接かかる費用ではありますが、土地及び建物の取得価額に算入され、「取得費」として取り扱われるためです。

手数料として勘定科目には記載することがないため、注意が必要です。

不動産売却はライズ不動産販売にご依頼ください

この記事では、仲介手数料の記帳方法について、基本から詳しくご紹介しました。

確定申告は、特に個人事業主の方に、不慣れな方が多いのではないでしょうか。

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