不動産売却時に行う按分って?土地と建物の按分方法や注意点とは

不動産売却時に行う按分って?土地と建物の按分方法や注意点とは

不動産の売買では、土地と建物の価値が一体になっていることが多いです。

しかし、法律上の問題も発生するため、「按分(あんぶん)」を行うことが求められます。

ただ、この按分については、何かを知らない方が多いでしょう。

トラブルを避けるためにも、ここで不動産売却に関する按分について学んでみてください。

目次

不動産売却時に行う按分とは?

不動産売却した際の按分とはいったい何?不動産売却時に行う按分とは、土地と建物の価格の内訳を決めることを指しています。

例として、土地と建物を合わせて3000万円で売却したとき、土地が2000万円で建物が1000万円のように内訳を決めることです。

不動産の売買では、土地と建物の価格は一体化して表示され、内訳が書かれていないことが多々あります。

慣習としても、そのような表示が一般的といえるでしょう。

しかし、按分は必要で、売却時の有利不利にも関係するため、しっかりとその内容を覚えておく必要があります。

なぜ不動産売却の際に按分するの?

按分はどうして行うべきなのか?

不動産売却で按分しなければならないのは、主に法律上の問題があるからです。

ここでは、なぜ按分しなければならないのか見ていきましょう。

消費税に関わるため

不動産売却には確定申告が絡み、税金の計算が欠かせません。

その際、消費税の計算に按分が大きく関係します。

なぜなら、消費税がかかるのは、不動産の建物の部分だけだからです。

土地は価値が落ちないことから、基本的に非課税ですが、家は年々劣化していく耐久消費財として考えられるため、消費税がかかります。

売主に当たる方は、この建物部分を売却した際にかかる消費税を税務署に納税しなければなりません。

そのため、按分によって土地と建物という消費税がかかる割合を決める必要があるのです。

減価償却に関わるため

もう一つには、按分が減価償却にも関わってくるためです。

減価償却とは、経年劣化に伴いその資産の価値が減っていくことを加味して、確定申告で費用計上することを指しています。

例えば、最初は2200万円の価値がある不動産でも、劣化により価値が落ち、やがて0になります。

そのため、基本的に確定申告では、最初に2200万円と計上することはありません。

木造・合成樹脂造の建物なら22年といった耐用年数を加味して、購入した年は100万円で計上します。

土地には減価償却は行われませんが、高額な資産となる建物に関しては、減価償却が適用されます。

個人事業主は減価償却が強制で、法人の場合は任意ですが、敢えて減価償却を行わないのはデメリットが多いです。

そのため、買主が法人と個人事業主どちらかに当たる場合、買主にとっても按分は大きな意味を持っています。

不動産を按分する具体的な方法とは

按分を行う具体的な方法について

不動産を按分する方法は、いくつもあります。

ここでは具体的な方法について、2つ見ていきましょう。

時価を元に按分する

まず考えられるのは、土地と建物の時価を元に按分する方法です。

土地と建物の両方、あるいはどちらか一方でも時価が判明すれば、その時価を元に按分することができます。

例えば、5000万円の不動産のうち、土地が時価3000万円とわかれば2000万円が建物の価値のように判断可能です。

ただ、土地と建物の時価をどのように求めるかが問題になりやすいため、国税庁が発表しているような公式なデータを用いると良いでしょう。

国税庁のデータには、「財産評価基準書(路線価)」や、「建物の標準的な建築価格表」などがあります。

不動産鑑定士に評価額を決めてもらう

売主と買主どちらも納得しやすい方法の一つに、不動産鑑定士を頼る方法があります。

不動産鑑定士は、不動産の適正な価値を判断するスペシャリストです。

取得難易度が非常に高い国家資格で、三大国家資格に並ぶともいわれています。

不動産鑑定士の土地や建物に対する評価は合理的で、売買に関係のない第三者の評価でもあり、納得しやすいものです。

そのため、不動産鑑定士の評価額に基づいて土地と建物の按分を決めるのは、リスクの少ない方法として選ばれます。

不動産売却時のアドバイスはライズ不動産販売にお任せください

この記事では、不動産売却に関する按分についてご紹介しました。

按分とは、一体化している土地と建物の価値を分けることを指しています。

按分を行わないと、売主にとっては消費税額が明確にならず、買主にとっては減価償却額がわからないといった問題が発生します。

また、売主側は納税する消費税を抑えたいので、建物の価値は高くない方が良いと考えるでしょう。

しかし、買主側は、経費として減価償却できるため建物の価値が高い方が良いと考えるものです。

按分の方法次第でトラブルになってしまうことがあるため、売主や買主間でしっかり話し合い、時には不動産鑑定士といった第三者の意見も取り入れながら決めることが大切です。

ライズ不動産販売には、FP(ファイナンシャルプランナー)資格取得者が在籍しており、税制に関する質問にお答えできます。

不動産売却に関してお悩みの方は、ぜひライズ不動産販売へお気軽にお問い合わせください。

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