西陣北部の狭小京町家
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2022年11月 上京区

担当者からのコメント
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担当:宮川和秀
担当:宮川和秀
「この空き家を売って、手ごろな物件を買いたい。」という買い替えのお客様。
既に、ネットでいろんな物件を見られてるようで、
使い古されたるるぶマップ京都をご自身のカバンから取り出されて、どういうエリアに住みたいかを説明して下さったのだが、
西賀茂→鷹峯→山科→滋賀→醍醐→奈良→生駒→東大阪→和歌山→○○と、エリアが転々とするのと、途中、親友の話やウイスキーをロックで飲む話や七味の話が入ってくる。
相槌うちながらずーっと聞いてたが、40分もすると私の頭の中もグチャグチャになってきた。。
「アカン!このままやとエンドレスや、、。」と思い、思い切ってさえぎって売却希望価格をお聞きすると「1,000万くらいで売れればと思うてますが、物件が物件なだけに難しいとも思うてます。あとは宮川さんにある程度お任せします、、」とカギを置いて帰っていった。
西陣北部の狭小京町家。27年間空き家で放置。
前面道路は2mだが、一応建築基準法上の道路でセットバック後の面積は39.38㎡(11.91坪)。
カギを開けて中に入ると予想通り荒れていた。
どう見ても1,000万円で売れるとは思えなかったが「頑張ってみます!」と
1,080万円の媒介契約書を郵送して送り返してもらった。
リビングに載せてもレインズに載せても、問い合わせも内見希望もゼロ。
ダメもとで、このエリアを得意とする建売業者5社と改装転売専門業者2社に紹介したが
6社は無反応。○○社さん(改装転売目的)だけ反応があり中を見てくれることに。
実際の買い付け価格は1,080万円からはかなり開きがあったが、念のため来店してもらい説明を聞いて頂くことに。
「納得してもらえるかな~。」とドキドキしながら話し始めようとすると、また、カバンの中からあの、るるぶマップ京都が出てきて、あの話が始まったので「うわッ!」と思ったがグッとこらえて、ひと通り聞き終えてから本題に入った。
「ちょっとその価格では売れませんが、○○万ならもうしょうがないかなとも思いますので、大変お手数ですが先方さんに掛け合ってみて下さい。」と帰っていかれた。
担当のFさんに伝えると「既に限界ギリギリなんですけど上に相談してみます。」と言ってくれ、数日後「ライズさんには日ごろからお世話になってるんで、なんとか社長を説得してOKもらいました。その条件で買わせて頂きます。」となり、先日、決済を迎え、無事引き渡しを終えた。
決済の合間にも、また、あのるるぶマップ京都が出てきた。

19年前、大工から不動産業界に転身した私は高知県出身ということもあり京都の地理がチンプンカンプンで、通り名どころか東西南北も分からなかった。
カードローンで買った20万円のボロボロのマークⅡにはナビすらついていなく
お客さんを案内するときは、全物件の地図をお客さんにドサッと渡してルートを決めてもらい「そこ右、そこ左、、」と教えてもらいながら物件まで運転した。
「おまえアホか!」と店長に怒鳴られてからは、書店でるるぶマップ京都を買って業務にあたった。
お客さんのカバンの中からるるぶマップ京都が出てきたとき「まだ、あんのか?!」と驚くと同時に懐かしい思いがこみ上げてきた。
次は買い替え先のご提案。。
気に入って頂ける物件をご紹介できるよう頑張ります!
もうるるぶマップ京都は使わずに、、